
雨水にはいろいろなものが溶け込んでいます。よく問題になる酸性雨には硫酸、硝酸、塩酸などの成分がとけ込んで酸性になっているのです。その他にいろいろな無機物、有機物がわずかながらとけ込んでいます。これらは雲が発生するときや、雨となって地上に落ちてくるときに、周りの空気から集めてきます。これらの物質はどこから来て空気中に漂っているのでしょうか。日本のように周りを海に囲まれているところでは、海の波のしぶきが舞い上がって細かい塩の粒になりそれが雨に溶け込んでいる成分が、かなりあります。また地面から細かい土ほこりが舞い上がり、それが雨粒にとらえられている成分もあります。しかしそれだけでは説明のつかない成分があります。特に微量重金属類は別な起源を持っているようです。考えられるのは工場からの排煙、ゴミ焼却場からの排煙、自動車の排ガスなどいろいろあります。また遠く大陸の方から運ばれてくるともいわれています。空気が汚れてくれば雨も汚れ、それにつれて地面も汚れ、河川水も汚れてきます。空気の汚れは雨を通して土壌汚染、水質汚濁に影響を及ぼしているといえます。
雨水班は雨の降り始めから、順番に雨を分けて取り、それぞれのpH、電気伝導度、微量成分を分析して、それぞれの成分がどのような起源を持つものかを研究しています。またこれらの成分が雲が出来たときからあるものなのか、雨が落ちてくるときに集めたものなのかを突きとめようとしています。微量成分はイオンクロマトグラフィー, ICP質量分析計などを用いて分析します。雨の成分は降り始めから次第に減少し、降り続けると一定の値になる傾向を持ちます。この様子を図に示しました。(ここをクリック)
また雨の分析データの一部を表にまとめました(ここをクリック)。
この研究室では、雨の中の微量成分の起源の一つと考えられる排ガス中の成分を分析することも行っています。
雨の採水器。雨量1mm毎に採れるようになっています。雨が降り出すと自動的に上のふたが開いて、雨を集めます。どのようにふたを自動的に開けるかはヒミツです。あててください。降雨8mmまで別々に集めることが出来ます。
カバーを取ると↓
中は小さなカップが観覧車のように並んでいます。名付けてレインゴーラウンド。堀場製作所の商品名です。それぞれのカップに5mlずつの雨が採れるようになっています。採れる試料の量が少ないので出来るだけ少ない試料の量で分析できるよう、いろいろな工夫が必要です。